夢実現・目標達成のための考え方と心身声のトレーニング(旧:ヴォイストレーナーの選び方)

声、発声、聞くこと、ヴォイストレーニングに関心のある人に( 1本版は、https://infobvt.wordpress.com/ をご利用ください。)

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

元の原因とあとの結果

トレーニングは、A→B、メニュでやったことと効果を因果関係として、「こうしたからこうなった」という形で出そうとしています。それは違います。「こうしたい」でなく、「こうなった」の世界です。実のところ、結果に直接に効く原因はなく(本人やトレーナ…

ヴォイトレの中に表現を宿す

歌やせりふの下にヴォイトレでのベストの声があるのではありません。ヴォイトレの中に歌もせりふもあるのです。 他の国では、このヴォイトレ=日常の声となっているのです。しぜんでおおらかで柔軟に富み、変幻自在、だからこそ日常の感情表現をステージにそ…

歌でのチェック

選んだフレーズを声のチェックのベストレベルで変えていきます。 拙書「読むだけ…」では、「つめたい(レミファミ)」を例に「メロディ処理」を説明しています。たとえば、 1.声の高さ、2.大きさ、3.長さはテンポに変えてみます。まずは1フレーズでよ…

声のチェック

トレーナーは、プロの前で歌っても、見本をまねさせるのでなく、その人の本質的なものを発見することです。相手が下手なら、まねさせる方が早いので、そういう教え方が多いのですが、まねても本当にはよくはなりません。 本人自身が、声の可能性に新たに気づ…

独自のメニュづくりを

「スピリッツ」連載中のグラゼニの凡田夏之介が、後輩のピッチャーに、ストライクゾーンの枠外の9点に全力投球ができるかと試すところがあります(2014.11)。相手が打ってしまうかもしれないストライクゾーンに入れるのでなく、そういうギリギリのボール球…

プロに通じるヴォイトレ

あるベテラン歌手から「ヴォイトレに行ったが大して効果がない」という話を聞きました。「メニュの大半は歌唱のなかでできるし、それ以外は特殊で、歌に使えないから」ということでした。典型的なヴォイトレのメニュ、方法への否定意見です。 私は、まったく…

実践からのトレーニング

実践における基本の能力差を埋めるために、さまざまなトレーニングが生み出されてきました。しかし、それは実践でのパワーアップよりも、正確さも含め、調整のためにシミュレーションされたものが大半です。 器を広げるものと、器を完全にするもの、つまり、…

ですから、声と歌の行き来をしつつ、声の評価と歌の評価を噛み合わせていくのです。プロデューサーやバンドは、声や体よりは歌、あるいは音楽で判断します。その人の声のベストよりも作品としてのベストです。その人の声のベストで見てから作品に歩みよって…

プロへのステップ

チベットにティンシャという直径7センチくらいの2つの皿のようなものをぶつけ、澄んだ音を出す鐘があります。その鐘を鳴らしてみてください。5回鳴らしたうちのもっともよいのを選んでください。それはあなたにもわかるし周りの人もわかるでしょう。その1回…

メニュが合っているのか

他の人のメニュ、レッスン、指導と、ご自身の行っているやり方を比べて、そのよしあしを尋ねられます。他の人のメニュを、それをつくった人が望んでいるほどのレベルに使えるのは、誰が使うにも、つくった人と同じくらいに手間暇がかかるものと思います。た…

処理と創造

声を身体からみるか、歌からみるかで私は2つの立場をもっています。その都度、変じたり、その割合をミックスして評価、判断、アドバイスをしています。 A.器を大きくする(ゼロから1へ) B.優先順を決める(2、3、4番を1番のものに) Aは破格やインパク…

身体からの声、歌からの声

表現とは別に、声単体の評価が成立するのか、それが私のライフワークとしての課題でした。声が本当に表現に化したときに声は消えます。話し終わって「声がよい」と言われるよりも、「何か温かい気持ちになりました」と言われる方を嬉しく思います。声そのも…

トレーナーの責任

「声と表現とは別」表現のために声を学ぶ人は、表現のための声が優先されるので、そちらからもみるようになりました。プロデューサーは、そこをみるばかりです。ロック、カラオケ、ハモネプ、コーラス、役者のせりふ、アナウンサー、朗読、声優の音色(使い…

中心としての声

ポップスを私の立場から捉えますと、感情を表す声が、構音変化で加工された発音を経て、ことばとして意味をもちました。声が共鳴の利用によって歌になった、この二つが合わさったところから歌となり、その延長上でマイク、音響という拡大、発達した加工装置…

トレーナーという職

今の日本では、フィジカルトレーナーがよく取り上げられています。高齢化社会で健康に関心が高くなったことと、中高年に加えて若い人に心身の問題が大きくなったこともあります。 私は、トレーナーとして、先も予期せぬまま踏み出したので信じられないことで…

タレント化と共感

私たちの時代に、歌い手は、生涯、歌い手のはずが、大いに転身しました。プロデューサー、作詞家、作曲家、プレイヤー、DJ、タレントなど、音楽を生業としていくなかでも、自らの才能をより活かすために、食べていくために転身しました。 歌手は、歌でしか食…

アーティストの凋落

「客がどうこうだから廃れた」というようなことは、アーティストや創り手側は口にしてはいけないことです。アーティストというものを人が欲しなくなったら、どうなるのでしょうか。そんな日がくるのでしょうか、と言っている人は平和呆けです。スターも絶滅…

歌の凋落

「聞ける歌がなくなりました」と言われて何年にもなります。どの時代でも年をとると、若い人の新しい感性についていけなくなるから当然です。とはいえ、20世紀の歌と、その歌手のもつ力、歌の影響力を比べたら、今や風前の灯ともいえます。その理由について…

信仰心

きれいな人がきれいに盛り付けた料理は、そうでないものと同じ味であっても、うまいわけです。私たちの仕事も内容だけでなく、表現や演出を考えていかざるをえません。声自体は、基準が曖昧でないのに、舞台で使う声となると二重三重にも基準も揺らぐわけで…

思い込み

偽薬が効いた人は、飲まなくてもよかったのでなく、偽薬を薬と思って飲んだから効いたのです。大切なのは、薬の真偽以上に本人の心での真偽、つまり、意志や信心であるということです。治そうとする意志や治るという確信が影響するのです。 となると科学でな…

偏りをつくる

偏りのない人はいません。そういう人がいたとしたら、その表現はすべての人に無力に思うのです。私のところはあらゆるタイプの人、他のスクールやトレーナーでは通じないような人も多く来ます。そこで、トレーナーやレッスンについて偏りをなくすよう努める…

分析の限界

私は、声のレッスンを科学的にも分析してきました。実験科学のようなものです。いくら何をやったから(方法)、こういう効果(結果)が出たといっても因果関係は証明できません。 学会などでは「十数名に実験したところ、この方法を用いると半分以上の人がよ…

当てはまらない人

天才的な人、オリジナリティあふれる人、これをプラスの極とし、人並み離れてうまくいかない人、鈍い人、これをマイナスの極とします。この両極の人には、メニュは、ほぼ当てはまらないのです。これを一本の線上に並べてプラスマイナスの極とみるよりは、平…

二つのレッスンタイプ

私は、トレーナーの偏りに注意して一般的なところへ戻して(初心にかえらせる)いくのと、その偏りを進めて独自の強い分野を持たせるのを併行して判断しています。 A.一般的、平均的、普遍的、誰にでも当てはまるレッスン。 B.特殊、偏向した独自の相手…

トレーニングにおける効果について

私は、考えるとあたりまえなことを、なぜ多くの人は考えずに人に聞くのか、人に聞いて、それを鵜呑みにできるのかを不思議に思うことがあります。 私もいろいろ聞かれる立場なので「私はこう思う」と言うこともあります。研究所でトレーナーが断定しないとし…

未成熟のままに

日本人は、完成されたものより、未成熟からのプロセスに惹きつけられるように思います。弱者としての生存術が、日本の歌謡において、第二次大戦後は、頑なに続いています。流行歌まで禁じられていたという状態からの反動やアメリカ文化に対する憧れもあった…

研究所史(10)

日本は、一端、形、型ができると、それを深めるのに純化していく傾向が強く、そうして強国には築かれた縦社会ゆえ大きな障壁となっています。縦割り行政ということばでよく使われていますが、障害となるのは行政だけではありません。大横綱ゆえに代表理事を…

研究所史(9)

外国人の方が日本の継承にこだわらない分、比較しつつ学んで、総合的に早くよくわかるというのと同じです。結果として大局から入るので効率的なのです。一つの流派だけで何十年もやっている人は、他の流派のことを全く知らないということもあります。そこに…

研究所史(8)

ノウハウ、マニュアル、方法よりも基準を学ばせ、それに必要な材料をメニュとして与えるというのが、最初からの考えです。このあたりは私のデビュー本に詳しいです(「ヴォイストレーニング基本講座」として増補改訂発売中)。 邦楽も声楽も、ここの一人ひと…

研究所史(7)

人数がいくら増えても、人材が出なくては仕方ありません。幸い、研究所で学べたかどうかは別として、在籍したあと、歌い手だけでなく、アーティストやプロデューサー、ビジネス、役者、トレーナー、指揮者、作家など、多彩な分野で活躍されている人がいらっ…